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共同通信系メディアのNNAにて、【ASEAN】ベトナム医療は魅力的な投資機会か?(1)を掲載

弊社代表杉田浩一による共同通信系メディアのNNAのWEB特集「経済ニュースから見るASEAN」連載が掲載されました。

NNAの掲載記事「【ASEAN】ベトナム医療は魅力的な投資機会か?(1)」はこちら。 

<掲載内容の抜粋>

7月14日のNNA記事「外国ファンド、FV病院に大型出資へ」(https://www.nna.jp/news/result/1635042)によると、フランス人医師がホーチミン市で立ち上げたFV病院が、シンガポールとインドに拠点がある民間ファンド、クアドリア・キャピタルから数千万米ドル(1,000万米ドル=約11億3,500万円)の出資を受けるという。

FV病院は2003年にフランス人医師のグイロン院長らが設立し、ホーチミン市7区フーミーフンに本院がある。診療科は30以上あり、病床数は220。ベトナム人だけでなく、カンボジアやラオス、ミャンマーからも患者が訪れている。

一方、クアドリア・キャピタルは、運用資産は15億米ドルを有する民間ファンドで、医療分野を中心に投資を行っており、アジア太平洋の7カ国・地域で18案件に投資している。

なお同記事によると、「出資の詳細は明らかにされていないが、クアドリアの創業者兼社長のアミット・バーマ氏によると、出資期間は最大5年。手始めに向こう1年で1,000万米ドルを投じて新たな診療所を設立するとともに、医療設備の更新、医師などの人材拡充を図る」という。

またFV病院はクアドリアの出資を通じて、中部や南部メコンデルタ地方の10カ所で診療所を立ち上げる。ジャンマルセル・グイロン院長は「来院する患者の2割は、近隣省や中部、南部から来る。地方進出により、患者の時間節約や健康に貢献できるとともに、ホーチミン市の本院の医療水準も維持できる」と説明している。

■ベトナムの医療環境は投資対象としてどこまで魅力的なのか

投資リターンに対して厳しい結果が求められる民間ファンドがベトナムの病院に投資をするということは、そこにそれだけの十分なリターンが期待できるからだろう。また、この記事にあるように、FV病院は2003年の段階でフランスに診療機関をオープンして、14年以上事業展開を行っている。それ以外にも、外資のベトナム医療に関する進出記事が散見され、ベトナム医療に対する投資機会としての高まりを感じる。一方で、現地でヒアリングを行うと、進出はしたもののうまくいかず撤退した医療機関の話も聞こえてくる。

果たしてベトナムの医療関連業界は、日本を含む海外の企業や投資家にとって魅力的な事業機会なのだろうか。

今回のシリーズでは、ベトナムの医療環境や競争環境、医療現場の状況を見ながら、特に下記の主要な点にフォーカスしながら事業機会としてのベトナム業界について探っていく。

(1)ベトナムの医療環境

(2)医療制度や主要な医療機関

(3)医療現場の状況

(4)ベトナム市民の医療に対する意向

(5)外資進出に係る制約事項

(6)投資対象としてのベトナム医療関連業界魅力