共同通信系メディアのNNAにて、「経済ニュースから見るASEAN」連載第6回を掲載
弊社代表杉田浩一による共同通信系メディアのNNAのWEB特集「経済ニュースから見るASEAN」連載第6回が掲載されました。
第6回のNNAの掲載記事はこちら。
<掲載内容の抜粋>
【ASEAN】不動産開発・建機業界から見るタイプラスワン・6
第6回 カンボジアとミャンマーではどちらが有力な進出先か(その6)
前回(http://www.nna.jp/articles/show/1562929)は、ミャンマーで活発化する建機レンタル会社の進出状況から、建設会社の建機に対する需要特性を見てきた。今回はもう少し現地の需要状況を深堀りし、どのような建機ブランドが現地で人気が高いのか、またその背景は何か、販売拡大におけるポイントは何かを読み解いていきたい。
■今後市場の拡大が期待されるミャンマー建機・農機市場
2017年2月6日のNNA記事「クボタ、農機販売拠点 ティラワ特区、一部組み立ても」(http://www.nna.jp/articles/result/1566794)によると、クボタがミャンマーのティラワ経済特区(SEZ)で2月3日に農業機械の輸入・卸販売拠点の開業式を開いた。同記事によると、「農作業の多くを人手と役牛に頼るミャンマーでは今後、機械化が進むと期待されており、ディーラー網とサービス体制も強化し、拡販を目指す」とある。クボタは11年以降、サイアムクボタから現地代理店を通じ農機を販売していたが、今後は新会社が直接、輸入・卸販売を行うと同時に、サービスも強化して拡販を狙うという。
このように、勃興する現地の需要をしっかりと確保すべく、日系の建機、農機をはじめとした販売活動はより積極化していくだろう。それ以外の分野にしても直営での販売を行う前段階として、現地代理店を活用して販売活動を行うケースは多い。
現地での販売拡大において重要な点は何なのか。どのような代理店が、どのような理由で伸びているのか。またそこから見えてくる日系企業の進出に対する示唆は何か――を今回取り上げる。その具体的なケースとして、ミャンマーの建機業界における現地のマーケットシェアを見ながら、どのブランドがなぜ強いかに迫りたい。
■具体的な市場シェア情報がとりにくいミャンマーの建機業界情報
さて、ミャンマーの建機業界のマーケットシェアをまず見てみたいのだが、すぐに難題にぶつかる。ミャンマーやカンボジアのような新興国で難しいことの一つに、市場の詳細な情報を理解することがある。特に比較的一般的でないBto B(企業間)に属する業界の市場シェア情報は難易度が高い。公的機関からの情報はもちろん、一般的な情報では出回っていない。また市場調査会社の情報と称されるものが入手できても、実際の裏付けが乏しく、ヒアリングして聞く情報や街中で実際に見る印象と異なるケースも多い。建機業界の市場シェアも情報を取ることが難しい分野に属する。
今回は、この業界の事業会社に直接ヒアリングを行うことで、現地のマーケットシェアについての情報の入手を図った。こうしたヒアリングにおいては、聞く人によって比較的回答にばらつきがある。従って、複数情報のすり合わせが必要になる。まずは韓国系建機のDOOSANの包括代理店を務めるHTUN NAY WUN THITSAR Co Ltdの、マネージングディレクターHtun Lynn氏に現地の市場状況を語ってもらった。