共同通信系メディアのNNAにて、「経済ニュースから見るASEAN」連載第5回を掲載
弊社代表杉田浩一による共同通信系メディアのNNAのWEB特集「経済ニュースから見るASEAN」連載第5回が掲載されました。
第5回のNNAの掲載記事はこちら。
<掲載内容の抜粋>
【ASEAN】不動産開発・建機業界から見るタイプラスワン・5
第5回 カンボジアとミャンマーではどちらが有力な進出先か(その5)
前回(http://www.nna.jp/articles/show/1556775)は、ヤンゴン市開発委員会(YCDC)による高層ビル建設停止命令でミャンマーの不動産開発業界が混乱した様子を見てきた。こうした状況は、現地の建機業界に対してどのような影響を及ぼしたのだろうか。今回は現地の建機業界の特性を確認しながら、ミャンマーにおける建機業界の動向を見ていきたい。
■活発化する建機レンタル会社のミャンマー進出
インフラに対する投資が進むミャンマーでは建機に対するニーズも強い。ここ1~2カ月のNNA記事でも、建機レンタル会社のミャンマー進出が見て取れる。例えば今年の1月10日付「アクティオ、年央から建機レンタル事業」(http://www.nna.jp/articles/result/1554534)によると、建設機械レンタル大手アクティオがヤンゴン近郊のティラワ経済特区(SEZ)で今年半ばに、建機レンタル事業を始める見通しを明らかにした。
昨年12月12日にリリースされた「三菱・ニッケンの建機レンタル合弁が開業式」(http://www.nna.jp/articles/result/1526987)によると、三菱商事と同社子会社の建機レンタル大手ニッケン、ミャンマー・カイドウ(MK)の3社合弁による建機レンタル会社、ダイヤモンド・レンタル・ミャンマーが昨年12月9日、ミャンマー最大都市ヤンゴンで開業式を開いている。
ミャンマーへの新規進出が進む建機レンタル業界だが、実際現地ではどのような機種に対する需要があるのか、また中古市場の広がりはどうなっているのだろうか。こうした疑問点に対し、現地で建機販売・レンタル事業を展開している「ミャンマー・キナン」社の中里Managing Directorに話を聞いた。
「ミャンマー・キナン」は、2015年に建機レンタル・販売のキナン(和歌山県新宮市)の初の海外子会社としてティラワ経済特区(SEZ)近郊に開設され、ショベルカー、ブルドーザー、ホイールローラーなどをはじめとした建機の販売、レンタル、輸送、重量物設置、機械の修理やアフターサービスと幅広い分野でサービスを提供。今年3月にはバゴーに支店を開設予定で、今後もミャンマー各地への事業展開を計画している。
■より自社保有を希望しがちなミャンマーの建設会社
キナンは建機の販売とレンタルを行っているが、クライアントがそのどちらかを選ぶかにおいて、日本の建設会社と現地の建設会社には、建機の保有に対する考え方違いが見えてくる。日系のクライアントは、日本での一般的な考え方に基づき建機の利用期間に応じてそのどちらかを選択する傾向がより強い。例えば、政府開発援助(ODA)案件のように長期の工期が予想されるプロジェクト用には購買が好まれる方で、民間の建設案件などでは1年以内で完成する工期が多いため、レンタルでの対応が多い。
一方で、現地の建設会社は、購買を選択する割合が多いようだ。その背景として、現地の建設会社がそもそも建機を自社で保有している比率が低いことがある。加えて、まだレンタルという形態に日本ほど馴染みがないことや、単純に「借りることよりも自分で保有することに対する憧れ」が強いこともあり、自社での保有に対する強い需要が存在する。実は同じような話は、前に紹介したカンボジアにおいても、またそれ以外でもベトナムなどの国々においても聞こえてくる。より発展途上の国ではリースやレンタルがそれほど浸透していないこともあり、単純に自分で保有する希望が根強いようだ。