共同通信系メディアのNNAにて、「経済ニュースから見るASEAN」連載第3回を掲載
弊社代表杉田浩一による共同通信系メディアのNNAのWEB特集「経済ニュースから見るASEAN」連載第3回が掲載されました。
第3回のNNAの掲載記事はこちら。
<掲載内容の抜粋>
【ASEAN】不動産開発・建機業界から見るタイプラスワン・3
第3回 カンボジアとミャンマーではどちらが有力な進出先か(その3)
前回は、カンボジアの建機業界の動向を見ながら、ファイナンスの提供が販売促進における重要なポイントの一つであることを説明した。カンボジアの建機へのファイナンスで現地での需要があることは分かった。一方で、このようなファイナンスを実施するための事業環境はどの程度整理されているのだろうか。ファイナンス事業で重要なのは「どれだけ貸し倒れが起こるか」、また「どの程度資金回収が出来るのか」だ。特に貸し倒れが起こった際に「どの程度担保保全が可能か」、また「担保価値がどの程度あるか(担保を換金できる市場等の存在)」といった点がポイントになる。今回は、このようなカンボジアの建機ファイナンスに関する事業環境の特徴と、そこでどのようなサービスが提供されているのかを、現地業者の貸し倒れリスクへの対応策と併せて見ていきたい。
■現地の建設会社は破綻しない?
まずは、そもそもカンボジアの新車の建機ファイナンスにおいて、貸し倒れ、つまり建設会社の破綻がどれだけ発生しているのだろうか。まずは建設業界の声を拾ってみた。
「最近大型の建設会社の破たんは聞いたことない。基本的に彼らはそれなりに資本の裏付けがあったり、政府ともコネクションがあるからだ」
現地の中堅建設会社を経営するChheng Youseng氏は言う。新品の建機を買うことのできる大手の建設会社や鉱山会社などは大手財閥系が多く、昨今の不動産ブームで事業拡大の最中にあることもあり、それほど破綻は発生していない。一方、2次請け、3次請けのような末端の中小建設会社では倒産はそれなりの頻度で起こっているようだ。
現地の建機リース会社にも同様に新車建機での貸倒れの発生の頻度を聞いてみた。そこでは、かれこれ5年間ほど建機リースを提供しているが、貸し倒れの発生は1回のみとのこと。ここでは新品の建機のみを取り扱っており、新品を買うような建設会社は基本的には破綻はしないとの話がここでも聞かれた。
本当にそんなに貸し倒れは少ないのだろうか。現地の人気建機ブランドの一つボルボの認定ディーラーであるUMG社の営業担当も「実際、弊社においても貸倒は少ない」という。